大手システム開発会社のSEの未来は明るいか?

大手SIerで働くシステムエンジニア(SE)の将来について、ふと考えてみた。
(あくまで経験に基づく私見ですので一般論ではないと思います。たぶん)


私自身、現在、大手システム開発企業で働いていますので、大手からの視点で記述します。


日本におけるSI産業の構造上、よく言われている多重請負構造(元請け→孫請け→曾孫請→・・・)を抜きに語れません。
元請けは、大手が占めており、例えば、NTTデータ野村総研アクセンチュアNECIBMといったところでしょうか。ここでのSEは、ほとんどプログラミングはしません。よって、技術音痴になる傾向は、構造上、仕組み上、致し方ありません。
彼ら、つまり、大手SI企業のSEの役割は、大きく以下の二つです。

  1. 業務要件の抽出(つまり、ニーズ(クライアントが気付いてない部分も含め)を引き出す)
  2. 下請け管理(一般に、協力会社とかパートナーと呼ばれています)


1については、よく「問題解決」とか言ってるところですね。
2については、主にプロジェクトマネジメントとか言ってたりしますが、実態はほとんど丸投げです。つまり、「やっといて」とか「できた?」の世界。決して楽しいものではありません。


彼らのクライアントは、主に大企業です。フロントはいざ知らず、バックエンドでは、未だCOBOLでのシステムがメインでしょう。
しかも規模も増え続け、数百万ステップは確実にあります。


こうしたなか、これを保守(エンハンスともいう)しているSEたちが将来直面する仕事は、ハードウェアの入替(ずっとは使い続けられないので)に伴なうシステムのマイグレーション(移行)ではないでしょうか。


問題は、このマイグレーションにあたり、問題はふたつ。

  1. 大手のSEが技術不足により、良い提案ができない(基盤のスキルもコーディングのスキルもない)
  2. システムのノウハウを持っている協力会社をそのまま使わざるを得ない


1について
2:8の法則的に、8割は、明らかに技術不足ですし、現状にあぐらを書いているのか、本当に疎いです。
新しく、適した技術を提案できるはずはありません。


2について
協力会社が例えばCOBOLしか使えない人たちだとすると、その人達のノウハウを活用せざるを得ないため、使い続ける必要があります。
したがって、またCOBOLでの開発になります。また、新しい技術へのキャッチアップはハードル高いです。


このような状況から、大手ITコンサル企業のSEは、ずっとCOBOLを使い続け、ハードウェアとミドルウェアだけ入れ替えながら、代わり映えの無いことをずっとやっていくのだろうなーと想像できます。


別にいいんですけど、もし知らずに大手で働きたいと思っている人は、よく検討したほうがいいですし、実際に務めている友人などに状況を効いたほうがいいと思います。少なくとも、自分の腕で食べていくという意味=市場価値のある自立した人材は育ちにくいと思います。
所詮、時間貸しみたいな産業では、人が育ちにくいのかもしれません。。。